「憎しみを解放する」方法。
前回は、自分の心にある「憎しみを解放」してコピーライティングすることで成果が変わることをお伝えしました。今回は、「憎しみを解放する」方法をお伝えしたいと思います。
まず正直いって、自分の心の中の「憎しみを解放する」ことについて、私自身完璧にできるわけではありません。過去思い出したくもない記憶がありますし、弱い自分の心と対峙しようと努力していますが毎回苦戦しています。
また、100%完璧にできる人は、この世の中にほとんどいないでしょう。自分の心の中の憎しみを100%コントロールできる人は、インド独立の父ガンジーや、マザー・テレサのような歴史的偉人クラスしかいません。
「憎しみを解放する」ことは、非常に難しく簡単に身につけることはできませんが、逆に言えば「憎しみを解放する」ことを10%でも20%でもできるようになれば、他の人から抜き出ることを意味しています。
よって、少しでも「憎しみを解放する」ことができれば、売上が何十倍から何百倍と変わってくることでしょう。では、憎しみの対処法はどのようにすればいいのでしょうか。
結論から言うと、憎しみに対する、最高にして、最強、唯一の対処方法は「許すこと」です。
このことを、下記の前提順に説明していきたいと思います。最後まで読み進めていけば、自然と「許すこと」ができるようになると思います。
前提
1. 人は持っている「もの」しか、他の人に与えることができない。
2. 他の人に与えた「もの」が返ってくる(返報の法則、類は友を呼ぶ)
3. 「原因」と「責められるべき」を分ける。
4. 自分を助けられる者は、自分しかいない。
1. 人は持っている「もの」しか、他の人に与えることができない。
憎しみという感情は非常に強力な感情です。憎しみは、愛や、思いやり、優しさなどのすべての感情、思考、言動を目に見えない様々な形で、少しずつ、確実に破壊していきます。
いつのまにか、自分の頭の中が、憎しみを考えることでいっぱいになってしまいます。憎い人のことを考えたり、復讐することを考えたり、不幸を願うことを考えたり、憎しみを他の人に転嫁したり、あらゆる形で頭がいっぱいになります。
自分のビジネスについて、愛する家族について、お客さんについて考える時間とエネルギー、言動する時間とエネルギーを奪っていきます。結果として、憎しみによってあたり一面、燃やし尽くしてしまいます。憎しみにピリオドをうたなかったことによって、あることがきっかけで、憎しみがスポット的に炎上するケースもあります。
人は自分が持っている「もの」しか、他の人に与えることができません。お金を持っていなければ寄付できませんし、愛を持っていなければ、愛を与えることができません。知識を持っていなければ、知識を与えることができません。
憎しみは、あらゆる感情、思考、言動を破壊して、憎しみしか残りませんから、憎しみをもっている場合、自分で気がつかない様々な形で、自分を応援してくれる人に憎しみを与える結果となってしまいます。
2. 他の人に与えた「もの」が返ってくる(返報の法則、類は友を呼ぶ)
「返報の法則」のポイントは、「自分の扱い方が相手から返ってくる」ということ。
相手に「尊敬しています」という感情を伝えると、相手から「尊敬しています」という感情が返ってきます。相手に「嫌いだ」という感情を伝えると、相手から「嫌いだ」という感情が返ってきます。営業でも、家族でも、愛するパートナーでも、社員でも同じですね。
これは、みなさんご存知の「返報の法則」です。「返報の法則」について、もう少し突っ込んで説明させて頂くと、「返報の法則」のポイントには、「自分の扱い方が相手から返ってくる」ということがあげられます。
よって、時と場合によって、相手に与えた「もの」が返ってくる形が違います。例えば、相手に「尊敬しています」という感情を伝えることは、相手に「自分はあなたと同じように尊敬される価値ある人間です」と伝えることと同じなので、相手から尊敬をもって扱われるようになります。
営業では、お客さんに「お客様は神様です」という感情を伝えることは、お客さんに「自分は奴隷です」と伝えることと同じなので、お客さんから奴隷として扱われるようになります。
お客さんに「あなたバカですね」と伝えると、「バカはお前だ」と返ってきます。私のレポート、キャッチコピーの失敗です。
猛省してます(;一_一)
他の人に「憎しみ」を伝えると、相手からいろいろな形で「憎しみ」が返ってきます。愚痴や不満を言う人は、相手から愚痴や不満が返ってきます。
「私は愚痴や不満を扱うに値する人間だ」と他の人に伝えることと同じですから、愚痴や不満を言う人間がまわりに集まってきます。類は友を呼ぶですね。
憎しみを抱いたままにしておくということに、メリットは何もありません。
3. 「原因」と「責められるべき」を分ける。
自分がどんなに正しくても、絶対に問題は自然に解決しない。
怒り、悲しみ、憤りを抱くことは人間として当然の反応です。怒り、悲しみ、憤りを抱き続けることが問題なのです。憎しみを抱くほとんどの内容は、「自分が正しくて相手が悪い」
上司が俺の話を聞いてくれない。夫(妻)が悪い。景気が悪い等々。
結論から言いましょう。「自分がどんなに正しくても、絶対に問題は自然に解決しない」
夫婦間の問題で例えると、問題を抱えている夫婦では、「どっちが正しいかなんてどうでもいい。夫婦がうまくいけばいいんだ」と言う夫婦はほとんどいません。
「正しい」という概念は、時代や場所、人との関係によって相対的に決まるのであって、絶対的ではありませんから、どっちが正しいかという争いは永遠に解決しないのです。分かりやすく極論を言うと、人を殺してはいけないという日常生活の「絶対的正しさ」も、戦場の兵士には通用しませんね。
「正しさは相対的に決まる」という視点でみてみると、愚痴や不満を言う人は正しいのです。愚痴や不満を言う人の内容を聞いてみると、おどろくほど、理路整然としていて論理的にほぼ完ぺきに問題点を提示しています。
「プロジェクトが失敗したのは景気が悪いからだ。なぜなら・・・・・・」
ここで言いたいことは、愚痴や不満の内容は正しいということですが、間違っている部分は、「原因」と「責められるべき」を混同してしまっていることです。うまくいかない「原因」は自分自身にあるのです。
上司に話を聞いてもらえないという愚痴や不満では、部下から話を引き出せない上司が「責められるべき」ですが、そもそもの「原因」は、話を聞いてもらえるように段取りしていない自分自身にあります。お金を盗まれたのなら、泥棒が「責められるべき」ですが、お金が盗まれる「原因」を作ってしまったのは自分自身です。
自分が憎しみを抱いているのであれば、憎い人が「責められるべき」ですが、憎しみを抱く「原因」を作ったのは自分自身です。「責められるべき」は憎い人ですが、憎しみを人生のプラスに変えられない「原因」は自分自身です。
他人を変えるより、自分を変えるほうが簡単なのですから、「原因」と「責められるべき」を分けて、自分の「原因」を改善・コントロールしたほうがいいのは明白でしょう。
返報の法則で、上司に「責められるべきはあんただ」伝えると、「お前が悪いんだ」と返ってきます。上司に「理不尽な責任は負いかねますが、私が原因である部分の改善点と改善策はこうです」と伝えると、「俺に責任がある。同じような失敗を繰り返さないためにも、君の改善策を取り入れよう」と返ってきます。
(;一_一)たぶんね。
4. 自分を助けられる者は、自分しかいない。
憎い人や憎しみへの最高にして、最強、唯一の復讐方法は「許すこと」
憎しみは確実に、頭の中を憎しみでいっぱいにしてしまいます。自分のビジネスについて、家族について、友人について、お客さんについて、考え行動する時間とエネルギーを奪っていきます。
これは過去だけでなく、未来にわたって「憎しみに支配されている」ことと同じです。
「憎しみの支配」から自分を解放する者は自分自身しかいません。よって憎しみを解放する最高にして、最強、唯一の方法は自分から「許すこと」です。
許すのは憎い人のためではありません。自分自身のためです。許すのに憎い人の許可はいりません。一方的に自分から憎い人を許すことができます。
憎い人を許すことで、自分の時間とエネルギーを愛する家族や友人、自分のビジネス、お客さんに100%注ぎましょう。そうすることで、まわりに幸せを与えることができて、結果的に自分自身が幸せになります。
憎い人は必ず誰かに「憎しみ」を与えています。また、憎い人は自分自身にも「憎しみ」を与えています。よって、憎い人は返報の法則で、必ずあなたに代わって誰かが罰してくれます。
憎い人は、許して、放っておきましょう。なぜなら、自分を助けられる者は自分しかいないからです。「憎い人」が自分自身で気がついて、自分で自分を助ける以外に方法がないのです。
憎しみを抱くことは、憎い人に自分の頭の中や未来までも支配されることと同じです。
憎い人に、自分の頭の中や未来までも支配されることほど、腹が立つことはありません。とにかく、憎い人は許して放っておいて、自分は自分の幸せを追求しましょう。
「許して、憎しみの支配から、自分を解放すること」それが憎い人や憎しみへの最高にして、最強、唯一の復讐方法なのです。
「憎しみを解放する」というコンセプトは、私がサラリーマン時代にメンターから教わったことがきっかけで気づくことができました。
メンターが私に言ったことは、「本当にお客さんや仕事で頭がいっぱいなら、上司や先輩、会社に対して不満を考えて愚痴を言ってる時間なんて無いよ」
上司や先輩、会社に対する不満や憤りの内容がいくら正しくても絶対に問題は自然と解決しません。上司や先輩、会社に対して不満や憤りを作った「原因」は自分にあると考えることで、いろいろなことが見えてきました。
「上司を営業マンとして捉えなおした場合、上司の実力は西日本NO.1だ。営業スキルを学んで自分を成長させよう」
「先輩は5つ年上で、会社の情報に精通していて、何より上司マネジメントがスゴイ。学んで自分を成長させよう」
ライバルが愚痴や不満、憎しみを吐いたり、まわりに与えていたらチャンスです。ライバルが時間とエネルギーを愚痴や不満、憎しみに使っている間に、私たちはお客さんと自分のビジネスに時間とエネルギーを使いましょう。1年、3年、5年、どんどん差が拡がっていきます。
私のような能力の無い人間が、ある程度営業成績を残せたのですから、私より確実に能力があるみなさんでしたら、「憎しみを解放する」というノウハウでもっと成果をあげることができると信じています。
【参考文献】
『史上最強の人生戦略マニュアル』フィリップ・マグロー(きこ書房)